早稲田文化館で日本語を学び、大学合格という夢への第一歩を踏み出した学生の合格体験記!
第8回目は2020年12月に早稲田文化館日本語科に入学し、複数の美術系大学に合格をもらった学生です。
合格校
○武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 版画専攻○
○多摩美術大学 美術学部 絵画学科 版画専攻○
〇女子美術大学 美術学部 アートデザイン表現学科 メディア表現領域〇
〇京都精華大学 マンガ学部 マンガ学科 キャラクターデザインコース〇
〇京都精華大学 マンガ学部 アニメーション学科 アニメーションコース〇
- 日本語を始めたきっかけは?
- 具体的にはどのように日本語を勉強していましたか。
- 早稲田文化館を選んだ理由は?
- 日本に来てからどんな生活を送っていますか。
- 学校の試験に向けて、どのような準備勉強をしましたか。
- 役に立った準備、勉強を教えてください。
- 印象に残っている早稲田文化館の授業はありますか。
小さい頃から絵を描くのが好きで、将来はどんな作業、仕事にも対応できる設備、環境を自室に整えたいという目標を持ち、美術大学を目指しました。
高校では文系科目を履修し、デッサンなど本格的な勉強は高校卒業間近から始めたとのこと。どのような勉強、準備をしてきたのか、話を聞きました。
◯日本語を始めたきっかけは?◯
最初は好きな歌の歌詞を覚えるために書き写しや発音の暗記などをしていましたが、そこから少しずつと広がっていって、日本語の小説や映像作品などに触れながら語彙や文法の貯蔵を増やしていったと覚えています。具体的なタイミングは覚えていませんが、中学か高校あたりからのことだったと思います。
日本への留学を決めたのは高校3年生の時でした。高校卒業後に絵の仕事に挑戦したこともありましたが、そこで自分の技術や知識レベルの足りなさに気付いて、日本に留学して、美術大学で学ぼうと決意しました。
◯具体的にはどのように日本語を勉強していましたか。◯
日本語の勉強は歌から始まりましたが、友達にアドバイスをもらって、最初は教科書を読む練習などをしていました。その他、聞く練習として、動画配信サイトを見て話す真似をしていました。そこで発音やイントネーション、様々な語彙を覚えることができたと思います。
また、インターネットを通じ日本人の友達を作って、チャットやディスコ―ドのアプリなどを活用した雑談、交流も積極的にしていました。皆さんも、TwitterやFacebookなどのアカウントを作って、同じ趣味を持った友達と交流をするうちに自然に上手になっていくはずです。
言語とは本来、何かをするための手段です。趣味について雑談したり、一緒に何かしたりするのは、とても楽しいことなので、積極的に交流を求めたほうがいいと思います。
◯早稲田文化館を選んだ理由は?◯
理由としては通う予定の美術塾に近いの一点だけでしたが、実際に早稲田文化館に通ってみると、クラスがとても静かな雰囲気でとても落ち着きました。
◯日本に来てからどんな生活を送っていますか◯
日本にきてからは、早稲田文化館で日本語を勉強した後、美術系の進学塾に通っていました。
午前は日本語を勉強し、午後は地道にデッサンの練習やポートフォリオ用の作品作成、面接を想定した自問自答などを繰り返していました。
このコロナ禍で、美術館や大学の展示が完全予約制や関係者限定入場などになったのは一番悲しかったことです。
◯学校の試験に向けて、どのような準備勉強をしましたか◯
美大は文系・理系と違い、TOEFLやEJUの点数よりも、実技試験と日本語のアドリブ能力が評価される傾向なので、試験よりも画力の向上や芸術界への理解向上に力を入れました。
技術については、アタリの取り方、形、構造の正しさ、パース、等を特に重視していました。その代わり影のつけ方、線の細かさがちょっと荒かったかもしれません…
EJUの前には学校の授業以外にも過去問を解きました。時間を図りながら、集中できる環境で、試験当日を意識しながら解きました。その後、間違った問題の文法や語彙を一つ一つ確認していく作業がとても大切だと思います。間違いが多いと大変かもしれませんが、この確認作業で語彙や表現などを定着させることができました。過去問と真剣に向き合えたことが、点数の向上に繋がったのだと感じています。
◯役に立った準備、勉強を教えてください◯
美大進学に向けての受験対策は、一年半程度だったと思います。高校の文系から美大を志望しましたので、ほかの方よりも美術の常識に疎いとコンプレックスを抱えていました。
そのため、受験までの多くの時間は大学や学科の情報収集に使いました。大学のホームページをあさったり、ウィキペディアで専門用語の定義を調べたりすることから、美術館巡りや大学の卒業制作展示まで、どの学科で何ができるのかを考えながら過ごしたと覚えています。例えば版画専攻でも、4年間すべてが版画制作な訳でもないので、専攻名だけで先入観が入るのは避けるべきだと思います。実技や日本語の練習はもちろんですが、こういった事前調査も欠かせないと感じています。
◯印象に残っている早稲田文化館の授業はありますか。◯
敬語の使い方や待遇表現がとても興味深いです。敬語はあまり得意ではないので、毎回新しい学びがあります。また、街中でのインタビューを題材とした聴解教材も面白いと思いました。街中の雑音もたくさん入っていて、本当に日常生活での聞き取りの練習になりました。そのような聴解の授業も、会話力の向上に繋がったと感じています。
その他、大学の過去問なども授業でしましたが、私が普段読まないようなジャンルが多かったので、新鮮で面白かったです。