合格体験記3~刘灵怡さん~【早稲田大学】

早稲田文化館で日本語を学び、大学合格という夢への第一歩を踏み出した学生の合格体験記!

第3回目は2019年4月に早稲田文化館日本語科に入学した刘灵怡さんです。

合格校

○早稲田大学-文化構想学部○

○早稲田大学-文学部○

 将来は中国と日本を行き来できるような仕事をしたいという刘さん。ニュースを読むという日課を続け、学校一と言われる会話力を身につけ、早稲田大学に合格することができました。今回はそんな刘さんの日本での生活、勉強について話を聞きました。

◯日本語を始めたきっかけは?◯

 記憶に残っている一番古い印象的な出来事は、小学校の頃に見た『ドラえもん誕生日スペシャル・走れドラえもん!銀河グランプリ』の、のび太がグランプリ大会を出るために名前を入力するシーンです。それに出てきたキーボード様式がカタカナ表記だったので、そこで「あれ、中国のアルファベット式と違った並び方、その文字はどういう組み合わせで漢字に変わったの?」という疑問を機に日本語に興味を持ち始めました。そして、中学校に入ってから「好きなマンガを読みたい!」と思って五十音図を独学で覚えました。まあ言ってみたら本当にごく一般的な経験でしたね。(笑)

◯日本語の勉強はいつ始めましたか◯

 日本語の勉強を本格的に始めたのは、高校2年生の1月でした。それは高校3年生の統一試験で日本語にチャレンジしたいと思ったのがきっかけ。それから、日本に留学して、大好きな日本文化の中で生活するのもいいな、と日本語への留学を考え始めました。そして、日本に来る前、高校3年生の時にN2に合格しました。

◯早稲田文化館を選んだ理由は?◯

 名前に「早稲田」が入っているのを、母が気に入りました(笑)

◯日本に来てから、どんな生活を送っていますか◯

 留学1年目は、早稲田文化館の授業が終わった後、午後はほぼ毎日塾で数学、総合科目の勉強をしていました。毎日ロボットのような生活で、今思えばただ勉強する毎日で、効率が悪く、勉強に集中しにくい生活を送っていたように思います。それから、その反動か、2019年11月のEJU後はほとんど勉強に集中することができませんでした。そんな時、先生とのカウンセリングで、自分が行きたい大学より低い大学、しかも目標から離れたレベルの大学しか合格できないと言われ、非常にショックを受けたのを覚えています。そして2020年2月の末に「自分の人生を無駄にしたくない」と思い、まずはTOEFLに向けて本格的に勉強し始めました。その時から大学に受かるまではずっと、ぐっと歯を食いしばって勉強してきました。

◯具体的にはどのような勉強をしていましたか◯

 留学2年目は朝から午後10時くらいまで勉強していました。留学1年目にJLPTやEJUに向けての自主学習はほぼ完成していて、学校での対策授業で十分だと感じていたので、主にTOEFLと大学の独自試験のための勉強をしていました。また、コロナウィルス感染拡大の影響で授業がオンラインになったので、時間を効率的に使って勉強することができました。特に、単語の勉強、過去問、そして長文(縦書きのもの)の練習をしました。どうして間違えたのか、という分析が非常に重要だと思います。そして何に注意すべきか整理して、自己分析したほうがいいと思います。過去問の中で分からなかったところを全部わかるまでやる他に、塾の先生がおすすめした問題集にも同様に取り組みました。日本人用の『出口式』の問題集です。

◯学校の試験に向けてどのような準備、勉強をしましたか◯

 志望理由書には結構時間がかかりました。インターネットで興味のある分野を調べながら、自分のやりたい事を絞っていきました。まずは自分のやりたいことを絞ることです。そこにしっかりと時間をかけたほうがいいと思います。また、それらについて他の人と話すことも大切だと思います。私の場合は母と話をよくしましたが、人と話すことによって、考えを深めていくこと、知るべき知識が分かったように思います。

◯役に立った準備、勉強を教えてください◯

 私は日課として、動画付きのヤフーニュースを一つ拾って口に出して読んでいました。内容は何でも構いません。関心がある内容を選べばいいと思います。コツはアナウンサーのスピードやアクセントとぴったり合うまで繰り返し録音してチェックすることです。発音の練習にもなるし語彙の積み重ねにもなります。また、正しい文法に触れられるのと、フォーマルな日本語を知ることができるのもメリットです。そして、一番肝心なのが、日本のビッグニュースやトレンドなどについていけるようになること。面接の時に役立つかもしれないので、皆さんにも是非お勧めしたいです。

◯後輩たちにメッセージをお願いします◯

 言語の学習に欠かせないものの一環として、その地域の人々が日常的に使われる言葉や表現の真似をするのも大切だと思います。普段では、勉強は勉強、遊びは遊びとはっきり分けると考える人もいますが、私の場合は、ゲームやバラエティー番組を満喫しながら、その中に出てくる気になった文法、語彙はその場でメモしておきました。(スマホでもノートでも手のひらでも構いません!)そして次回はその言葉を先生との会話に使ってみます。そうすると、この間メモした内容は自分のものになるのです。それが遊びながらの勉強法です。ほんの小さなアドバイス、皆さんに差し上げます♪