合格体験記11~孙爽さん~【一橋大学】

早稲田文化館で日本語を学び、大学合格という夢への第一歩を踏み出した学生の合格体験記!

第11回目は2021年1月に早稲田文化館日本語科に入学し、見事大学合格を勝ち取った学生です。

合格校

○一橋大学 商学部○
○東洋大学 経済学部 国際経済学科○
○東海大学 政治経済学部 経済学科○

 人生のステージに合わせて様々な目標を持っているという孙さん。今は雑誌のモデルに興味があり、ダンスやピアノの練習を頑張りたいとのこと。
 常に優秀な成績を収め、本人の意欲もあったことで、飛び級を重ね、初級1クラスから1年後にはN1クラスへ。そんな孙さんの勉強の秘訣を聞きました。

◯日本語の勉強をはじめたきっかけは?◯

 中国で半年、大学に通っていました。そこでは人材管理やマネジメントなどを専攻していましたが、教科書の内容を覚えるだけの授業ばかりで、あまり自分には合っていないと感じていました。そこで大学を退学して、留学することに決めました。両親と話し合ったところ、日本が一番安全な国だと思い、日本への留学を決め、それから中国の日本語塾で日本語の勉強を始めました。そこではN5くらいの日本語を学び、自分ではTRYという教科書を使ってN3の勉強をしていました。

◯早稲田文化館を選んだ理由は?◯

 当時国内で私の留学を担当した先生はいくつかの語学学校のパンフレットを見せてくれました。早稲田文化館はその中でHPやパンフレットなどが最も丁寧に作られ、進学指導などの内容もとてもはっきりしている学校でした。それで自分で早稲田文化館を選びました。当時は早稲田大学に魅力を感じていたので、「早稲田」という名前に惹かれたのも一つの理由です。

◯いつから受験勉強に力を入れ始めましたか◯

 2021年1月末に日本に来たばかりの時は、周りの新鮮なものに誘惑され、本格的に受験に向けて勉強し始めたのは3月ぐらいだと思います。留学試験まであと100日しかない事に気づいて、試験の内容を体系的に勉強し始めました。それからは毎日本当にたくさん勉強しました。
 私は塾には行っていなかったので、土曜日も日曜日も自分で計画を立てていました。午前の早稲田文化館の授業が終わってから、毎日11時くらいまで寮の自習室で勉強していました。その後2時間くらい、その日勉強した内容について他の人に質問してもらうことで、その知識の定着を図っていました。この知識を固める過程は、勉強の中でかなり重要だと思います。

◯具体的にはどのように勉強していましたか◯

 日本語の聴解部分は最も力を入れていました。例えば、留学試験の過去問をずっと携帯で聞いていました。全部の言葉を理解するまで何回も繰り返し聞きました。試験前の1ヶ月は毎朝起きて一通りの問題に取り組みました。(しかし聴力の得点は低いままでした…)その他、ラジオでニュースを聞くなど、とにかく聞く力を伸ばすため、たくさん日本語を聞きました。
 話す練習をする機会はあまりなかったので、授業中は積極的に発言をしたり、先生と話したりしていました。また、先生との面接練習も何度かしました。

 数学は昔から得意だったのであまり勉強せずに過去問を始めました。反対に総合科目はじっくりと時間をかけて勉強しました。ハイレベル総合科目という参考書を買って、一通り暗記してから過去問を始めました。まず1か月くらいかけて、本を基に自分でノートを作りました。それからさらに1か月かけて、そのノートの内容を覚えました。そのようにして自信を付けてから、1日1回過去問を解きました。わからない所をきちんとノートに書いて、知識が定着するようにしました。
 TOEFLは全部で5回受験しました。私は3か月間という期間設定をして準備するのが一番いいと思います。他の科目と並行しながらですが、受験日の目安を3か月後にして、勉強計画を立てるのがいいと思います。ただコロナのせいで、受験の機会が少なくなって大変でした。

◯学校の試験に向けてどのような準備、勉強をしましたか◯

 一橋大学の学内試験は、数学と総合科目は留学試験相当でしたが、日本語は長文読解の記述問題です。そこでまず過去問をしてみると、語彙の蓄積量が少なく、記述的な問題に慣れていないことがわかりました。大量の単語を覚えて、自分の考えをまとめるという訓練に力を入れるようにしました。その時には『入試現代文へのアクセス基本編/完成編』『出口式現代文講義 評論編』などの参考書がとても役に立ちました。
 また、漢字の問題もあったので、『入試漢字2800』を使って漢字の読み書きを勉強しました。私は中国人なので、漢字の意味は分かります。しかし、過去問を見てびっくりしました。しっかり勉強しないと、漢字問題はクリアできません。漢字の勉強は本当に大切だと思います。
 数学の難易度や問題量は、留学試験と同じでしたが、回答時間は40分しかなかったので、問題を解くスピードの訓練に集中しました。

 一橋大学を受験しているのはもっと長い時間をかけて準備している学生ばかりですから、とてもとても不安でした。でも私は半年の大学生活を経験し、本当にいい大学に行きたいと思っていました。
 実は私は明治大学に落ちています。その時に、読解は自分の強みで、自分の弱点は聴解であることに気が付きました。EJUでも読解はほぼ満点ですが、聴解の成績が足りていませんでした。一橋大学の入試は聴解の試験がなく、読解と数学の試験がありました。難しい試験だと思いましたが、私の強みである試験内容だったので、他の人を超えるチャンスだと感じました。自分の強みを信じ、11月のEJUが終わってから、3か月必死に準備しました。自分の能力を正しく認識し、長所を生かして短所を避けることも本当に大切なことだと他の人にも伝えたいです。

◯早稲田文化館の授業で印象に残っている授業などはありますか◯

 今行っているSDGsについての授業ですね。自分の考えをまとめて、発表するというのは今まであまりなかった授業なので、高いレベルのクラスに入れてよかったと思います。
 山田瑞紀先生にも助けていただきました。大学の過去問を見せて、勉強方法のアドバイスをもらい、とても感謝しています。

◯後輩たちにメッセージをお願いします◯

 目標設定は大きければ大きいほどいいと思います。自分が本当に求めているものは何かを知り、自分の能力を極めることでその目標に近づくことができます。特に重要なのは、自分を信じることです。自分をよく認識した上で、他人の意見ばかりに耳を傾けないようにしましょう。自分の能力や目標が何であるかは、自分自身が一番よく知っているはずです。